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「朝日新聞」から。


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阪神大震災15年


【15年のアルバム 1995-2010】


(4)「A世代」時代に挑む
2010年01月05日


居酒屋で映像や表現について語り合う張領太さん(左)、佐藤零郎さん(左から2番目)らNDSのメンバー=09年12月、大阪市北区、西畑志朗撮影

 「KY(空気が読めない)」。仲間内で異質な人をのけ者にするこんな言葉がはびこるなか、それにあらがい、自分たちを「A世代」と呼ぶ若者がいる。原点は、95年春のある事件だった。(吉野太一郎)


 昨年暮れ、大阪市内の居酒屋で、10人ほどの若者が土鍋を囲み、ひととき忘年会を楽しんだ。
 酔いが回り、場が盛り上がると、短髪の青年が「社会を変えようぜ!」と叫んだ。誰かが「社会は分からんけど、映画を見た自分の周りは変えていけるかもな」と苦笑いする。車座の中心にいた長髪の若者は「撮影や編集を通じて、自分自身が変わっていくのが大きいよ」と胸を張った。
 この日集まったのは、大阪市北区の中崎町を拠点に活動していた映像作家の「卵」たち。07年に設立された「中崎町ドキュメンタリースペース」(NDS)の面々だ。主に市民団体主催の映画祭や自主上映会で作品を発表する。
 時々、数人で集まっては作品を批評しあう。
 11月下旬の夜、大阪・ミナミのマンションで、男女6人が壁に映し出された映像をじっと見つめた。NDSの一人が、被爆体験を語り継ぐ被爆者たちを追ったドキュメンタリーだ。
 約1時間30分の作品を見終わった尼崎市の張領太(チャン・ヨン・テ)さん(26)は「取り上げた被爆者の証言がどれも似てる」と作者に注文をつけた。同市の佐藤零郎(れ・お)さん(28)も「結論がわかりにくい」と容赦がない。そもそも原爆を知らない世代が撮るのは可能なのか――。作品を巡る議論は、終電直前まで白熱した。
 張さんと佐藤さんは、NDSを引っ張る中心人物だ。ともにヘルパーとして働きながら、映像を撮り続ける。
    ■   ■
 「僕たちは、いわば『A』世代」と佐藤さんは言う。
 「A」は、95年3月の地下鉄サリン事件をきっかけにできたドキュメンタリー映画のタイトルだ。フリーのテレビプロデューサーだった森達也氏(53)が、世間の非難に戸惑い苦悩するオウム真理教の一般信者の姿をカメラに収めた。「A」は「AUM(オ・ウ・ム)」の頭文字。NDSの多くが影響を受け、あこがれる作品だ。
 佐藤さんは、大学を中退して京都の俳優養成所に所属していた03年、友人から勧められた「A」のDVDを見て衝撃を受けた。養成所では足軽など“その他大勢”の役ばかり。
 「一人でも社会に訴える作品が撮れるんや」
 カメラを片手にホームレスに密着するようになった。
 北朝鮮の核問題を契機に、朝鮮学校の生徒が制服の民族衣装を切られる被害が相次いだ94年。そして翌年の地下鉄サリン事件――。
 在日コリアン3世の張さんは当時、国籍を隠して小学校に通っていた。麻原彰晃代表の逮捕を伝えるテレビ中継を見ながら、サティアンの中の信者を心配していた。オウムがモンスターのように言われる中で、国籍を明かせない自分の立場が一般信者の境遇に重なって見えた。
 「異質が排除される恐怖を無意識に感じたのかも」
    ■   ■
 それだけに「A」は新鮮だった。
 地下鉄サリン事件が社会に与えた影響について、森氏は「動機不明の無差別殺人で、自分以外の共同体への恐怖や不安が渦巻いた。被害者意識が強まり、集団で管理されたいと願う時代の始まりだった」と指摘する。
 それから15年。米国同時多発テロ(01年)や北朝鮮の拉致問題(02年)を経て、「KYや自己責任という言葉で、異質な他者を迫害する社会になってしまった」(森氏)。
 そんな世の中で、「A世代」は少しずつ足場を築きつつある。
 佐藤さんが大阪・長居公園でテント暮らしをしながらホームレスを追った「長居青春酔夢歌」は昨年10月、ノンフィクションの登竜門とされる山形国際ドキュメンタリー映画祭で招待作品に選ばれた。
 張さんは伊丹市中村地区の在日集落の住民らを撮影し、08年に「中村のイヤギ(話)」を制作した。「在日が日本にいる歴史的経緯を忘れないで」とのメッセージだ。
 NDSは今春、大阪・西成に念願の事務所を構える。4月には張さんと佐藤さんが森氏とパネルディスカッションをする予定だ。
 「排外主義は正直、怖い。でも上映会を重ねるうちに、メッセージは必ず届くと知った」
 張さんは最近、手応えを感じ始めている。


◆自主制作映画「A」
 95年3月、12人が死亡した地下鉄サリン事件に絡み、警視庁は5月、オウム真理教の麻原彰晃代表(当時)を殺人などの容疑で逮捕した。フリーのテレビプロデューサーだった森達也氏(53)が96年から約1年間、一般信者の日常の修行風景や、世間の批判にさらされ教義との間で苦悩する様子を撮影した。自主制作映画として98年に「A」、2001年に続編「A2」が公開され高い評価を得た。

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